世界のたばこ税


近年のたばこ税の値上がりで喫煙者は肩身が狭くなり、禁煙する人も増えてきました。愛煙家の中では「日本のたばこ税は高い」との声が止まないのも事実。

逆に嫌煙家は「たばこ税をもっと上げるべき」と意見が正反対。

本当に日本のたばこ税は高いのでしょうか?実は世界に目を向けてみると「高い」とは言い難い結果が出ています。

日本のたばこ一箱300円の場合にかかる税金はだいたい189円と約63%ぐらい。半分以上が税金に当てられています。

しかしたばこ一箱の税率が50〜60%というのは世界的に見て標準に近い数字なのです。

実は小売価格が同じぐらいのヨーロッパ圏では70〜80%に当たる税金が課せられている国があることをご存知でしょうか?

いくつか例を挙げるとイタリア・オランダ・ベルギーで70%を超えていて、ドイツ・フランス・アイルランドで約80%、イギリスでは約82%とかなりの高水準。たばこ一箱が1,000円近い値段になるのです。

日本の税率とあまり差の無いオーストラリアではたばこの小売価格が倍に近いため、同じ60%前後でも一箱の値段は800円に近く、逆に税率約72%の韓国は小売価格が安いので日本より安い値段で販売されています。

禁煙大国アメリカでは州ごとに大きく異なっており、20%程度の所もあれば大都市ニューヨークのように50%を超える州もあります。同じ国内において、これだけ差があるのは人口の密集度合によって調整がなされていると言えます。

小売価格との兼ね合いもあり、税率だけで判断するのは難しいのですが、やはり日本のたばこ税が「高い」とは言いきれません。では、逆に税率の安い国はどこでしょうか?それは愛煙家大国ロシア。

ロシアの人口は日本よりやや多い1億4000万人程度で、喫煙者数は約5900万人。ちなみに日本の人口約1億2000万人約で喫煙者数は3500万人ほど。ロシアは日本より約2倍に当たる喫煙率なんですが、その税率は10%程度。

小売価格が同程度なので日本より100円近く安いことになります。喫煙率の大きさと税率は比例しているのではないでしょうか?

そのためロシアのたばこ市場は年間約3000億本で、世界全体の約5.5%を占める規模なのです。ちなみに世界最大のたばこ消費国は中国で、その数は1兆6000億本。たばこ市場の約3分の1を占めています。

各国の経済状況や財政状況などもあるので一概に税率・小売価格だけで「高い・安い」と判断するのは難しいと思います。

ですが、他国の税率は比較対象に有効なデータとして取り上げられる事により、日本のたばこ税がこれからも上がり続ける可能性が十分にある事を意味しているのではないでしょうか?






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