喫煙者・非喫煙者の意見


厚生労働省は2006年(平成18年)の8月に発表した来年度の税制改正の要望の一つにたばこ税の更なる税率引き上げを盛り込みました。たばこ税は2006年の7月にも行われたばかりで、この要望が実現されると2年連続でたばこ税の税率引き上げが行われる事になります。はやりたばこがもたらす健康への被害、それに伴う医療費を抑制するために行われることが一番の目的であるとされているが、喫煙者のマナー向上や未成年の喫煙撲滅にも大きく影響を及ぼすと考えられています。

非喫煙者にとっては良いニュースと言えますが、喫煙者にはかなり痛いニュースと言えるのではないでしょうか。税収引き上げを考えるのは喫煙者の意見とは言い難く、当然非喫煙者の意見と言うのが妥当でしょう。年々肩身が狭くなる喫煙者の立場ですが、実際にたばこ税として税金を納税しているのは喫煙者です。たばこの価格がこれ以上高くなるのはできる事なら避けて通りたい道ですね。

喫煙者側の意見として、たばこの税率は他の税金、ガソリンやお酒にかかる税金に比べて割高であると言われています。ガソリン税(正式には揮発油税及び地方道路税)は現在約44%。酒税はアルコール度数によってかわりますが、一般的に飲まれているビールを取り上げると、その税率は約43%。これに対したばこ税は約63%と数値上では割高です。お酒もたばこと同様に依存性があり、健康への被害も報告されています。ガソリンは環境問題で大きく取り上げられていますね。同じように悪い点を取り上げられているたばこに課せられている税金が群を抜いて高いと思うのは当然の事かもしれません。
とは言っても、やはり非喫煙者側から見る喫煙者のマナーや健康志向の社会から見る喫煙者・非喫煙者の人体への影響は無視できないでしょう。これが非喫煙者にとって一番大きな強みとも言えます。非喫煙者は増税すべきであると、喫煙者は減税すべきであると真逆の意見が飛び交っているのを見ると、これから先も両者の意見が合致するとは思えないのが現状です。

たばこ税の税率引き上げを要望した厚生労働省が財務省の管轄であるたばこ事業について取り上げるのは今回が初めてになります。自民党や公明党の中で「さらに引き上げるべきである」との根強い意見を受けての税制改正案です。再び増税される事になるのでしょうか?もしそうなった場合、医療費を含む社会保障制度にどういった影響を及ぼすのでしょうか?どちらにせよ、より住みやすい国になる事を願うばかりです。





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